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本記事で得られる知識
当記事では、ネットワークビジネスの報酬システムの原理の1つであるシェアについて解説します。
この記事はこんな方向けです。
この記事を理解するためには、ネットワークビジネスのシェア型ボーナスについての体系的な理解を深めたい方向けです。
シェア型
今回はシェア方式の解説です。業界的には「ボーナスプール」という言い方のほうが使われていることが多いですが、原理的な意味とずれるのでこのサイトでは「シェア」という言い方をします。
シェア方式は一定期間に1度「売上の◯%」を、条件を満たしたメンバーで均等・公平分配する方式です。
ステアステップ、オーバーライド、パスアップなどの計算原理と大きく違うのは、期間計算が1ヶ月だけでなく、3ヶ月、半年、1年と期間がバラバラだという点、また予め決まった金額を条件を満たしたメンバーで分配する点です。
シェア方式は単純型シェア方式と、ポイント型シェア方式の2種類があります。
単純型シェア方式
単純型シェア方式は、一定の条件を満たしたメンバーで「(単純に)割る」ことでボーナス金額が確定するタイプです。
これは上位のタイトル保持者同士で分配するというボーナスでいうと、老舗のアムウェイなどでも昔から採用してるものです。
ケーススタディにて解説していきます。
図1は1ヶ月で分配するタイプの単純型シェアで、ツリー上の売上が月間1千万円の場合で計算します。
尚、タイトルはDが最下位タイトル、タイトルAが最上位タイトルということで、Dが昇格するとC、Cが昇格するとBという流れだとイメージしていただければと思います。
タイトルDの1人あたりの報酬額 : 6,666円
- 10,000,0000 × 20% = 2,000,000円 (分配対象金額)
- 2,000,000円 ÷ 300人 = 6,666円
タイトルCの1人あたりの報酬額 : 15,000円
- 10,000,0000 × 15% = 1,500,000円 (分配対象金額)
- 1,500,000円 ÷ 100人 = 15,000円
タイトルBの1人あたりの報酬額 : 40,000円
- 10,000,0000 × 10% = 1,000,000円 (分配対象金額)
- 1,000,000円 ÷ 25人 = 40,000円
タイトルAの1人あたりの報酬額 : 100,000円
- 10,000,0000 × 5% = 500,000円 (分配対象金額)
- 500,000円 ÷ 5人 = 100,000円
分配率は20%から5%と低くなりますが、そもそも上位タイトル保持者ほど、その人数が少ない(分母が小さい)ので、金額が増えることがわかります。
ちなみに、今回の例は分配期間が1ヶ月ですが、2ヶ月に設定していれば2ヶ月分で計算します。ま、金額は倍ですが期間が伸びるだけなので、「見た目のうれしさ」が増えるだけですが。
ポイント型シェア方式
ポイント型シェア方式は、総売上の◯%を分配する点は単純型と同じですが、計算対象が単純な人数ではなく、各タイトル保持者が条件を満たして獲得したポイントを総ポイントで割り、それによって出された金額があなた自身が獲得したポイントの数に比例してもらえる方式です。
それではケーススタディで見ていきましょう。
図2 : はポイント型シェア方式の前提を示しています。
分配期間は1ヶ月で、月間売上合計は1千万円。タイトルそれぞれに定められた条件を満たした、各タイトル保持者が獲得したポイントの合計が図2の「各タイトルの総獲得ポイント」です。
獲得条件はとりあえず度外視で計算します。
今回はあなたがもしそれぞれのタイトルで獲得したポイントが15P(=定められた条件を1ヶ月に15回達成した意味)だとする場合で計算すると、
あなたがタイトルDだった場合の報酬額 : 9,990円
- 10,000,0000 × 20% = 2,000,000円 (分配対象金額)
- 2,000,000円 ÷ 3000P = 666円/P
- 666円 × 15P = 9,990円
あなたがタイトルCだった場合の報酬額 : 22,500円
- 10,000,0000 × 15% = 1,500,000円 (分配対象金額)
- 1,500,000円 ÷ 1000P = 1,500円/P
- 1,500円 × 15P = 22,500円
あなたがタイトルBだった場合の報酬額 : 60,000円
- 10,000,0000 × 10% = 1,000,000円 (分配対象金額)
- 1,000,000円 ÷ 250P = 4,000円/P
- 4,000円 × 15P = 60,000円
あなたがタイトルAだった場合の報酬額 : 75,000円
- 10,000,0000 × 5% = 500,000円 (分配対象金額)
- 500,000円 ÷ 100P = 5,000円/P
- 5,000円 × 15P = 75,000円
単純型シェアとは違って、ポイントを獲得すればするほど確定する金額が増えるしくみです。
ポイント獲得条件が結局は受給条件みたいなものなので、単純型シェアのようにタイトルさえ獲得すれば均等分配されるのとは違い「ポイントを獲得する結果」が伴っている点で、近年の外資系MLM企業を中心に、低いタイトル保持者も対象に設定するところが増えています。
最大還元率
最大還元率は分配されるボーナス率そのものになります。
今回の例ではタイトルを4つ設定して解説しましたが、MLM企業によってはこの4つのシェアを「1つのボーナス」としてまとめているところもあり、その場合を前提に言うと、上記のシェア方式は単純型もポイント型も合計の50%が最大還元率です。
上記4つのタイトル別にボーナス名をつけて設定している場合は単純に、タイトルA用の最大還元率は5%、タイトルB用の最大還元率は10%という言い方になります。
いずれにせよ、結局は合計値は一緒です。
シェア方式の大きな特徴としては、ステアステップと同様に、最大還元率と実質還元率が一致する点です。