ネットワークビジネス(MLM)の報酬プラン(システム)ルールの7up(セブンアップ)を知る

本記事で得られる知識

当記事では、ネットワークビジネスの報酬システムの原理のうち、オーバーライドを採用したユニレベル系、そしてブレイクアウェイ系で採用される7up(セブンアップ、セブンナップ)について解説します。

この記事はこんな方向けです。

この記事を体系的に理解するためには、オーバーライドユニレベルブレイクアウェイの構造を理解する必要があります。

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7upとは

7up(セブンアップ)は、無制限幅ツリーを採用するユニレベルの場合はLV1、ブレイクアウェイの場合は1世代目の、系列数が増えれば増えるほど、深度が段階的に深くなるようにボーナス設定されているルールを指します。

7upという名称ですが、その深さや系列数が7に固定されているわけではなく、単純に系列数が浅ければ深度が浅く、系列数が増えれば深度も深いという表現です。

7upという名称が定着しているのは、アメリカで最初にこのルールを適用したMLM企業の報酬システムが最大で7世代目(or LV7)までだったことに由来しています(会社名は僕は存じません)。

ケーススタディ

図1 : 7upのケーススタディ

図1は7upのケーススタディとして用意したものです。

ユニレベルの設定でLV1~LV4までの図のボーナス率でボーナスが発生しますが、7upを採用しているため1人増えるごとにLVが1つずつ深くしています。

全員が1万円の商品を購入した場合の、Youの報酬額と計算式は以下のとおりです。

報酬額 : 12,600円

  • LV1 : 10,000円 × 2人 × 30% = 6,000円
  • LV2 : 10,000円 × 3人 × 22% = 6,600円
  • LV3 : 0円
  • LV4 : 0円

となります。

7upがなければLV4までのダウンライン全員の購入に対して、各LVのボーナス率に応じて計算すればいいんですが、7upのルールがあるので図1のYouは2系列しか育成していませんから、LV2までしかボーナスが発生しないのです。

そしてもし図1点線の位置に3人(3系列)目の直接紹介者が出た場合のボーナス額は、もうお分かりかとは思いますが、以下のとおりとなります。

報酬額 : 21,600円

  • LV1 : 10,000円 × 3人 × 30% = 9,000円
  • LV2 : 10,000円 × 3人 × 22% = 6,600円
  • LV3 : 10,000円 × 4人 × 15% = 6,000円
  • LV4 : 0円

となります。3人目が出た時点で、LV3までのボーナスが発生する形になりました。
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7upを導入する意味

7upを導入するメリットですが、これはMLM企業側の視点から見るといかのとおりです。

より深い深度を求めて行動に出やすい ( = モチベーションアップのための口実)

直接紹介者を出せば出すほど深いところからボーナスが発生するという表現自体が、ダウンラインの育成や会社側のディストリビューターに対するモチベーションアップのツールとなります。

初めから深度が深くてもそこまで行き着かない = 非現実的と捉えられやすい

7upがないと、登録した段階から最大の深度までボーナスが発生することになりますが、登録したばかりのディストリビューターがまずやることは直接紹介者をリクルートすること(= LV1を増やす)ことです。

そこがないと、その下に行き着きません。

初めから最大深度までボーナスが発生するのはいいんですが、いつまでもLV2からの排出が出ないまま、直接紹介者のリクルートに邁進していると、ふと冷静になったときに「このボーナス自体非現実的ではないか」と思いやすいので、そこを防ぐ意味もあります。

実績を作れないメンバーにボーナスを発生させない

確率的には低いですが、7upを導入していないユニレベルでは、稀に1人の紹介者だけで、深く成長してきボーナスを取得するメンバーがいます。

それだと、実績を出している(=LV1が多いのにLV2以降が成長していない)メンバーと比較すると、1系列育成なのにボーナスが多く発生する(= LV1が1人でも、その下で組織ができあがっている)という、実績よりも「運」が先行するケースもあります。

このような場合に、ちゃんと直接紹介者数(= フロントの数 = LV1の数 = 系列数)に比例して、実績がある人には深度を深くするほうが、あるべき行動に対する対価としての支払ができますので、理にかなっていることになります。

実質還元率を抑えることができる

MLM企業側として7upを採用するに当たっての、最終的な根拠はここにあります。

ちゃんと直接紹介者をリクルートする人には深くところからボーナスが発生してほしいという点と比例して、実績がない人のボーナスが減るということは、それだけ実質還元率を減らすことができるということです。

最大還元率は7upを採用してもしていなくても、率は同じです。

ですが、上記のケーススタディでお分かりだと思いますが、7upを採用するのと採用しないのでは、ボーナス額が変わります。7upを採用すると明らかにディストリビューターにMLM企業側が支払いお金の総額は減ることになります。

減れば、実質還元率は低くなります。

浮いた分を別のボーナスのために用意する企業は最近は最新のシステム体系の性質上増えていますが、悪どいところは浮いた分に対して何もせず、せいぜいインセンティブと称して期間限定のキャンペーンを組むぐらいで、会社側の儲けにしてしまうところも少なくありません。
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