MLM(ネットワークビジネス)のモメンタムの真実【図の解説付き】勧誘時に絶対話をされるアレ

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本記事で得られる知識

当記事では、ネットワークビジネスのリクルート(勧誘)時に必ずと言っていいほど説明されるモメンタムについて解説します。

この記事はこんな方向けです。

ネットワークビジネス、マルチ商法、ネズミ講などの話を聞いた、勧誘された、あまり詳しくないけど始めている人など、何かしら見たこと聞いたことのある初心者向けの記事です。

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MLM(ネットワークビジネス)の勧誘で説明される4つのフェーズ

ネットワークビジネスの話をする時に必ずと言っていいほど話をされるのが4つある会社の成長段階です。

図1 : 頻繁に説明されるモメンタムの図

1つ目は、創世記。単純に設立段階のタイミングです。よく言われるのはこのタイミングは設立したばかりなので、ディストリビューターの数自体が少なく、このタイミングなら組織図の上位になる可能性はあるが、ビジネスとしてのチャンスは大いにあるが同時にちょっとしたことで会社がつまづく危険性があるとされます。

2つ目は成長期。創世記に比べてある程度売上がまわるようになり、成長の兆しが見えてくるというタイミングです。ただ、ここも同じく成長が際立つわけではなく、あくまで売上の上昇が数字的に見えてくる感じです。

そして3つ目が設立前のタイミングで説明されることの多い、急成長を表す「モメンタム期」です。一般的には売上の上昇も、ディストリビューターの登録数も軒並み急激な上昇をするということで、このタイミングでの登録が望ましいという説明になります。

最後の4つ目というは、安定期で会社としては売上の成長が鈍化しますが、絶対数としての売上高が安定的に確保されてはいるが、ディストリビューターの増加数と、減少数を表す純増数がプラマイゼロになるため、ビジネスとしてのタイミングは去ったというところです。

外資系のMLM企業に至っては何かマニュアルでもあるのか?と疑いたくなるぐらい必ずと言っていいほどこういった説明がされます。
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ビジネス目的と商品目的の増減数からフェーズを見る

図1は典型的な会社の成長を表現した図ですが、これをビジネス目的と商品目的のそれぞれから見ると図2のようになります。

図2 : ビジネス目的と商品目的と売上高の推移の関連図

なぜMLM企業の売上が増減するのかというと、買う人がいるからです。MLM企業の場合は一般企業と特殊でディストリビューターとして会員登録したメンバーがほぼ定期的に商品を購入します。

つまり、ディストリビューターの数に比例して売上が増減します。

ディストリビューターというのは、ネットワークビジネスを目的としたディストリビューター、商品の愛用が目的のディストリビューター(会社によってはプリファードカスタマー)の2タイプに分かれます。

モメンタム期におけるメンバー増加数というのは、単純に「ビジネス目的」の急増の結果です。ビジネス目的のメンバーもアクティブ状態を保つために定期的に商品を購入しますから、比例して売上高が上昇します。

しかし、モメンタム期を超えると急速にビジネス目的のメンバー数が減少します。そもそも登録しているMLM企業のネットワークビジネスを知っている人も増えますし、常に新しいMLM企業というのは誕生していて、魅力がそっちに移ってしまうこともあり、ビジネスとしての魅力が衰えると、当然登録や定期購入する意味がありませんから、定期購入をやめその分会社側も売上が減るということですね。

その減少に歯止めをかけるのが愛用目的のメンバー集めであり、設立当初から微増微増と増えていき、モメンタムを超えるとビジネス目的にメンバーの勧誘対象が「ビジネス目的」から「愛用者集め」に転換することもあり、フェーズ4である安定期では徐々にビジネス目的のメンバー数と入れ替わるように増えていくというわけです。

先程説明しましたが、このフェーズ4ではメンバーの入れ替わりが激しくなりますので、会社としては売上高は安定的に推移します。潰れることはありませんが、肝心のビジネス目的のメンバーからすると、ビジネスチャンスは完全に去ったというタイミングになるのです。
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ビジネスの質と商品の質の片方が悪いとフェーズ4は「衰退期」になる

MLM企業が長く存在するために必要なのは「大きく稼げるチャンスがあるか」というビジネスの魅力だけでなく、「価格以上の価値を見いだせる商品があるか」という商品力も重要です。

「質」が何かはまた別の機会に詳細を解説しますが、上記図2で示したのはあくまでビジネスとしても商品としても魅力がある前提です。

例えば、ビジネスとしての魅力がなく商品の魅力がある場合はどうなるかというと、以下の図3のようになります。

図3 : ビジネスとしての魅力は低いが商品に魅力がある場合

単純に投機的なネットワーカー、通称ジャンキーみたいなのが参加しませんので、単純に設立当初から商品の愛用者集めとなります。

ネットワークビジネスではなくても、訪問販売・EC通販を含む代理店制度などを設けている企業はほぼほぼこのような成長になります。

CMや(いいのか悪いのかは別として)ステマ、SNSの活用といったプロモーション次第ですが、基本的には急激な売上の増加は企業の広告戦略に投じる資金に依存しますので、MLM主宰企業のように基本的にはそのようなプロモーションを設けない前提だと、微増微増にて成長するというわけですね。

売上の増加の度合いは圧倒的に低いですが、そのかわり愛用者集めをすればするほど、商品に魅力を感じてリピートしてくれることになりますので、「安定期」といった状態はなく、、、、、というより「安定せず成長するために」いつまでも売上が増加していくということです。
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ビジネスだけが魅力があり商品に魅力がない場合

図4 : 魅力ある商品がないのにビジネスだけで勧誘している場合

図4は図3と逆で商品に魅力がないけど、ビジネスだけが横行している場合です。

このようなパターンの場合は基本的に悪徳マルチやネズミ講に近いはずですが、、、、、商品に魅力がない場合でもモメンタムまでは売上は急成長することが少なくありません。

しかし、モメンタム期が過ぎたあたりで、「ビジネス」目的の勧誘者集めから、「商品」目的の愛用者集めに転換するはずですが、商品に魅力がないため、集まりません。

ツリーの末端に位置するメンバーほど、結果が出ていないわけですが、このモメンタムの鈍化によって、より勧誘の成功率が下がり、末端に配置されている人ほど、歯止めになるはずの愛用者が集まらないので、定期購入をやめて辞めていきます。

やめると1つ上のレベルのメンバーの収入が減り、更に歯止めがきかず定期購入をストップして辞めていきます。

こうなると、連鎖するように末端から辞めていく人が増え「末端から上へ上へ組織崩壊する」状態となり、安定期ではなく「衰退期」が訪れ最終的には会社が倒産するということです。
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モメンタムの致命的な問題

「モメンタム期に入っているからビジネスチャンス!」

このようなセリフはよく聞きますが、モメンタム期自体が「権利的収入」のバロメーターではないという致命的な問題点を理解しなければいけません。

そもそもネットワークビジネスの一番の魅力は「権利的な収入性」にあったはずです。

ところが、モメンタム期自体が「ビジネスメンバーの急激に増える時期」を反映した売上の急成長期ですから、重要視しなければいけないのはモメンタム期ではなくて、モメンタム期が過ぎた後に「権利収入としての性質が見込み得るのか」ということですね。

安定期に入ってから求められるのは、ビジネスとしての魅力でなく、権利的収入性を達成するための「商品の質」が最終的に必要になります。

モメンタム期到来後に衰退期に入らずに安定期に入り売上高を維持していけるか否かと判断するためには、価格以上の質を感じられる商品がどれだけ用意されているのかを把握する必要があります。
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