
Contents
本記事で得られる知識
当記事では、ネットワークビジネスの報酬システムを構成する原理のひとつであるパスアップについて解説します。
この記事はこんな方向けです。
この記事を理解するためには、ツリー構造とパーソナルグループに関する体系的な理解力がある方向けの記事となります。
パスアップ
パスアップはブレイクアウェイのようなパーソナルグループを基準として計算し系列ごとに最大報酬金額が金額で設定されています。
1系列ごとの最大金額が決まっていて、(縦の)深さの概念がないため、1世代目の系列数(横の幅)が増えることで報酬が比例して増加する形となります。
また、パスアップ独自のものとして、基準となるパーソナルグループの売上が定めれており(最低保障売上)この売上を差し引いた額を基準にボーナス額が計算される形となります。
パーソナルグループで用いた図を参考に説明をしていきます。

今回も図1のメンバーが全員1万円の商品を購入したと仮定して計算式を出してみたいと思います。
今回のパスアップのボーナスの元になるのは、独立メンバー(青色)とそのパーソナルグループの売上の合計(=売上額)とします。
例えばFさんの売上は本人とパーソナルグループの合計なので4万円という計算です。
Gのボーナス額 : 8,000円
- 下からのパスアップ額 : 0円(ダウンラインに育成独立メンバーなし)
- Cへのパスアップ額 : 50,000円(マックス)
- ボーナス対象売上 : 自身の売上額90,000円 – 上へのパスアップ額50,000円
- ボーナス額 40,000円 × 20% = 8,000円
Fのボーナス額 : 0円
- 下からのパスアップ額 : 0円(ダウンラインに育成独立メンバーなし)
- Aへのパスアップ額 : 40,000円
- ボーナス対象売上 : 自身の売上額40,000円 – 上へのパスアップ額40,000円
- ボーナス額 0円
Eのボーナス額 : 0円
- 下からのパスアップ額 : 0円(ダウンラインに育成独立メンバーなし)
- Cへのパスアップ額 : 40,000円
- ボーナス対象売上 : 自身の売上額40,000円 – 上へのパスアップ額40,000円
- ボーナス額 0円
Dのボーナス額 : 4,000円
- 下からのパスアップ額 : 0円(ダウンラインに育成独立メンバーなし)
- Aへのパスアップ額 : 50,000円
- ボーナス対象売上 : 自身の売上額70,000円 – 上へのパスアップ額50,000円
- ボーナス額 20,000円 × 20% = 4,000円
Cのボーナス額 : 16,000円
- E系列からのパスアップ額 : 40,000円
- G系列からのパスアップ額 : 50,000円
- Bへのパスアップ額 : 50,000円
- ボーナス対象売上 : 下からのパスアップ額90,000円 + 自身の売上額40,000円 – 上へのパスアップ額50,000円
- ボーナス額 80,000円 × 20% = 16,000円
Bのボーナス額 : 34,000円
- C系列からのパスアップ額 : 50,000円
- Aへのパスアップ額 : 50,000円
- ボーナス対象売上 : 下からのパスアップ額50,000円 + 自身の売上額170,000円 – 上へのパスアップ額50,000円
- ボーナス額 170,000円 × 20% = 34,000円
Aのボーナス額 : 80,000円
- B系列からのパスアップ額 : 50,000円
- D系列からのパスアップ額 : 50,000円
- F系列からのパスアップ額 : 40,000円
- 上へのパスアップ額 : 50,000円
- ボーナス対象売上 : 下からのパスアップ額140,000円 + 自身の売上額310,000円 – 上へのパスアップ額50,000円
- ボーナス額 400,000円 × 20% = 80,000円
[addAdR]
最低売上額を上限にパスアップする
パスアップの特徴は、1世代目の系列(1世代目の独立メンバー)ごとに、最低売上を下から上にパスアップする(移ってくる)点にあります。
育成した1世代目の系列ごとにダウンラインから最低売上額を上限にパスアップされ、自分自身も最低売上額を上限にアップラインへパスアップしていきます。そして残った売上額を基準にボーナス率を乗じる形です。
自身の売上とダウンラインからのパスアップ額を合計した額が、最低売上(例では5万円)を超える場合は5万円を、下回る場合はそのままの額をアップラインにパスアップ(差し引く)形となります。
オーバーライドのように層ごとにボーナス率が決まっているわけではなく、「2世代目以降の世代」は計算に必要ありません。
あくまで1世代目に◯系列(1世代目の独立メンバーの数)を増やすかで収入が比例していきます。
上下のパスアップ額を考慮した金額を元に、更にボーナス率をかける形になりますので、最大還元率となった場合は単純にボーナス率(例では20%)がイコールで最大還元率となります。
多重パスアップ
ステアステップやオーバーライドと違って、複数のボーナス率を乗じる概念自体がないので、パスアップを採用するMLM企業の場合は、このパスアップを2つ、3つと複数用意して、吐き出すボーナス率(還元率)をあげる形をとっています。
MLM業界では2つ以上のパスアップということで、「多重パスアップ」という言い方をします。ツリーの説明でも解説しましたが、2重パスアップの場合はブレイクアウェイパスアップ方式のボーナスが2つ存在することを意味するので、ツリーの構成は同じですが厳密には2つのツリーが存在する形となります。
[addAdR]